ぷじゅうぅぅぅ……っと、顔に生温かい液体がかけられた。
生臭くて、あたたかくて、粘ついている――白濁したそれはもう何回も、いや、何百回も数え切れないほどにわたしの体に吐き出されたものだ。
「ぁっ、はぁぁぁ……シロウネ様の精液……もったいなぁい……んちゅっ、ちゅうぅぅぅぅぅ……っ、ぷはぁっ……」
ぬめりを帯びたその触腕がわたしの体を擦る度に、ねちょねちょと粘着質な音が聞こえてくる。
――もう、外は夜になっているだろうか。あるいはその夜が明けて、朝に……。
いや、そんなことは、わたしにはもうどうでもいい。
「シロウネ様ぁ――お願いです、どうかここに……ま、また、紗穗のおまんこにぃぃ……おねがい、お願いだからぁ……」
胎内で吐き出された精液が、ボコッと逆流して流れ落ちた。
あぁっ……シロウネ様の特濃精液が流れ落ちてしまう……。また注いでもらわなくちゃ。他の子だって、シロウネ様にたくさん愛していただいているのに……。
「ここっ……ここにぃっ! 紗穗の
触手専用おまんこにくださいっっ……! シロウネ様の
触手おちんぽっ……ぶっとくてイボイボの
触手おちんぽお恵みくださいませぇぇぇ……!」
わたしはまんぐり返しの姿勢になって、自分の手でおまんこをこじ開けた。
誘うように腰を振れば、やや白みがかった巨大
触手――この村の守り神であるシロウネ様がふわふわとこちらに切っ先を向けた。
「あっ、はぁぁぁ……! きて、きてくださいシロウネさまぁ……!
触手ちんぽっ! その
触手ちんぽで紗穗のこと犯してぇえぇぇっ!!! 産みますっ、シロウネ様の卵産みますからぁぁ……ぁっっはぁぁぁぁっっっっっ!!!」
先端からだらだらと涎を垂らしたシロウネ様が、のろのろとこちらに這ってきた。
ナメクジのように床に触腕を這わせ――なんと、二本もの極太触手おちんぽが膣壺に突き立てられる。
「きたっ、入ってる、入ってりゅぅぅぅ……! 触手おちんぽ二本もっ……ぁっ、あぁぁっ……!」
我先にと膣壁を抉りながら最奥へ向かおうとする触手様たちに、わたしの体はガクガクと揺さぶられた。
ドチュンっドチュンっとピストンを繰り返しながら胎内を埋め尽くされていると、目の前にまた別の一本が躍り出る。
「んふぅぅぅ……こ、こっちもなのぉぉぉ……お、おくちっ! お口でご奉仕しますから……あーん……んむぅぅぅ……」
さすがに3本は入らない。
わたしが大きく口を開けると、三本目の触手様はぬるりとその中へと潜り込んでいった。
「んごっ、ぉごおぉぉぉぉ……んぐぇ、がっ……んぉぉぉぉ……!」
潤滑液を分泌しながら喉と食道を犯す触手様のおかげで、わたしの頭の中は猛烈な多幸感に支配されていた。
ああ――祥子にお礼を言わなくっちゃ……ここから出たとき、わたしや彼女がどうなっているかは分からないけど……。
部屋の隅で別の触手様にズコズコ突かれているであろう祥子が、「ふぎいぃぃぃぃ……!」と幸せそうな声を上げているのを聞きながら、目を閉じる。
――次に目を開いたときには、きっともっと気持ちいい、最高の瞬間が訪れていることだろう。
● ● ●
「別荘? 祥子の家別荘なんて持ってるの?」
「別荘っていっても、お父さんの実家だったところなの。もうおじいちゃんもおばあちゃんも居ないし、実家も別のところにあるから、便宜上そう呼んでるけど……ちょっと遠いけど、いいところよ。行ってみない?」
大学のゼミで一緒になった祥子は、よく笑いよく怒る、喜怒哀楽のはっきりとした女の子だった。
長い髪の毛は一度も染めたことがなく、肌は人形のように白い。そのくせどこかおっちょこちょいで、わたしたちのグループの中心的な存在だった。
「あー、でもアタシ夏はバイトなんだよね。紗穗は?」
「わたし……行ってみたいなぁ。避暑地っていうの? ちょっと憧れなんだよね」
「じゃあ、紗穗は決まりね。実家に連絡しておくわ」
夏休みの避暑だなんて、なんだかゴージャスな響きだ。
アルバイトも短期のものを何個かしていただけだし、時間に余裕はある。
わたしと祥子はそうと決まるや否や、海の近くだというその別荘地に行くために水着などを買いに行った。
「ねえ、祥子。別荘ってどんな感じなの?」
「うーん、私も何度かしか行ったことないんだけど……その、本当になにもないのよ。コンビニとかもないし、結構不便だとは思うけど――でも、自然がたくさんあって、空気が澄んでいるの」
それを聞いただけで、わたしは胸が高鳴った。
都会の喧噪から離れた――だなんて、ごく普通の学生生活を送っているわたしからしてみれば、まさに憧れのような土地だ。
昔から親の仕事の関係であちこちに引っ越しており、高校でも友達ができなかった。
大学に上がってもふるさとなんていうものもないと思っていたところに、祥子からの提案があったのだ。
「ふふ、紗穗って変わってるのね。あんなになにもない田舎なのに、こんなに楽しみにしてくれているんだもの」
「えへへ、だって、友達と二人でどこかに行くのも初めてなんだもん」
そう言うと、祥子はやや目を丸くして、それからにっこりと笑ってくれた。
わたしは彼女の――こういうところが大好きだ。
きっぱりとした性格も、誰に対しても分け隔てなく接するところも。……黒髪や白い肌も、とっても素敵。
わたしはもしかして、彼女に抱いてはいけない想いを抱いてしまってるのかもしれない。
でも、わたしはそれでもよかった。
美しい祥子の近くで時間を過ごすことができる――そんな夏が目前に迫っていることに、ドキドキをかくせなかった。
それから少し時間が過ぎて、大学の夏期休暇。
お盆には実家に帰らなければならないけれど、それまでは友達と遊びに行くので家を空ける――家族にそう伝えて、わたしは新しい水着を詰めたキャリーバッグで祥子と共に駅にやってきた。
「本当に楽しみにしてたのよ。水着もかわいいの買えたし!」
「もう……何もない村だって言ってるじゃない。でも、気に入ってもらえたら嬉しいなぁ」
美しく笑う祥子に見とれていると、ホームの中に電車がやってくる。
祥子の家の別荘は、ここから電車で3時間ほどの小さな海沿いの村にあるという。
その旅路を、わたし達はお互いの好きなものや抗議についてを話ながら、姦しく過ごしていた。
この後に、どんな悲劇が待ち受けているのかなんて、この時は少しだって、思いもよらなかった――。
つづく
- 関連記事
-