「そこまで聞いてんなら、アンタも知ってんだろ? 俺がこの学園に来たのは――」
「問題児矯正プログラム……『聖贄』制度の対象生徒として、ですね?」
おっとりと、流令院が笑った。
聖母のようなその笑顔は、しかし俺から声を上げるという行動意思を取り上げてしまう。俺は声も出すことが出来ないまま、ゆっくり頷くだけだった。
「確かに、この聖メレニアヌス学園は問題児更正のための受け皿としての活動も行っています。元々女子校だったのを共学化させたのもその為だと、お父様から聞いていますし」
一歩、流令院がこちらに向かって歩きだした。
甘い――甘い香りがする。クッキーの匂いとも、紅茶の匂いとも違う、あまくて優しい……これは、きっと流令院の香りだ。
生徒会の面々が、じっとこちらを見つめていた。里塚も、他の半裸の男達も、まっすぐに俺を見つめて、そして。
「跪きなさい、九條総真。床に座るのよ」
「ッ……!」
ガクンッと膝が崩れおちて、俺はその場にへたり込んでしまった。腰が抜けたと言った方がいいかもしれない。
とにかく、俺は流令院のその一言で、糸が切れた操り人形よろしく地面に座り込むことになったのだ。
「うふ……いいわね、やっぱり殿方は、素直な方がいちばん好きよ」
「ぁ……、な、なに……」
「ここには、貴方みたいな方が沢山居るわ。そこの里塚くんは女子生徒の妊娠と堕胎を繰り返し、そこで掃除をしている石井くんは万引きの常習犯。学校にも家庭にも居場所がなかった、彼らは社会的に見ても爪弾きにされる存在……貴方も、そうね?」
俺は流令院を見上げる形になりながら、ぼんやりとその声を聞いていた。
ああ――なんて、なんて心地の良い。このままずっと彼女の声を聞いていたいと、そう思えるほどに落ち着く、不思議な声だった。
「けれど我が聖メレニアヌスは、貴方たちのような生徒でも受け入れます。いえ、むしろ……あなたたちのようにどうしようもなく救えないクズを、りっぱな『聖隷』にすることこそが、わたし達の使命」
「せ、せいれい?」
「そうよ。……アンリ、花蓮、お願いできるかしら?」
「あぁ、わかったよ会長。おい里塚、お前ちょっとこっち来い」
前里と、眼鏡をかけた女子生徒が立ち上がり、里塚を呼んだ。
「は、はいっ、アンリ様ッ!」
「良い返事だ、里塚……。よし、それじゃあ脱げ。日頃の鍛錬の成果を、流令院会長にお見せしろ」
「うまくできなかった場合に備えて、花蓮もお手伝いしますね、里塚クン」
――脱げ?
いきなり聞こえたとんでもない発言に俺が耳を疑っていると、里塚は俺と流令院の前に躍り出て、グッと腰を落とした。
ハーッ、ハーッと息を荒く吐き出しながら、里塚はそれまで付けていたエプロンをたくし上げた。
「なっ……何やってんだよ、里塚!」
「りゅ、流令院会長……ッ、生徒番号〇七八番、里塚弘太ですぅっ」
里塚のエプロンの下は、素肌ではなかった。
だが、モッコリと膨らんだ股間を包んでいる少ない布地――陰毛も隠れないソレは、明らかに女性もののヒモパンだ。
その下でペニスをいきり立たせた里塚は、ヘコヘコと腰を振りながら挨拶を始めた。
「ふふ、アンリのお気に入りの方ね? それじゃ、はじめてちょうだい」
「は、ハイッ! 今から誠心誠意センズリ扱かせていただいて、か、会長と転入生のために、に、ウェルカムオナニーしますっ……歓迎精液ドピュドピュしてっ、ぷ、プログラムの成果をご覧に入れますねぇっ」
昼間のスカした雰囲気はどこへやら、顔を真っ赤にさせた里塚は、ヒモパンの結び目を解くと、血管が浮き出たグロテスクなペニスをボロンッと取り出した。
「ん、んヒッ」
「よし、扱け。いいと言うまで射精するなよ、里塚」
「は、はいぃっ! み、見てろよ総真ァ……俺のウェルカムオナニーッ、んふぅぅっ、ぉ、ほほぉぉっ」
そう言うと、里塚は中腰のまま、バキバキに勃起したちんぽを右手で扱き始めた。
「ふ、ふぎぃっ、ひ、ィんっ」
「あらあら、顔を真っ赤にさせて、かわいらしいこと。花蓮、彼にはどんなプラグロムが適用されているのかしら?」
目の前で、全裸の男がオナニーをする。
そんな頭のおかしい光景を目の前にしているのに、流令院たちは冷静だった。普通なら気持ち悪がるなりするだろうに、会長が里塚を見つめるまなざしはどこまでも優しい。
「はい、睡眠前の媚薬投与、月一度のオナ禁調教とアナル拡張プログラムに、今後改造手術の予定も組まれていますが、現時点での恒常プログラムはこれだけですね。後はアンリお姉様の個別調教プログラムが組まれています」
「そう。じゃあアンリ、あとはお願いできる? お気に入り……なんでしょ?」
そう言って、会長は俺の隣に椅子を用意させ、そこに腰掛けた。
辺りはムワンとした熱気と、そこはかとない雄の臭いが漂いはじめる。
「ぅっ、ぐぅぅんっ、ウッ、ふ、ぉぉっ」
「まだ三十回も扱いていないぞ! もっと腰を落として、体幹に力を入れろ! 会長の前で無様を晒すな!」
見ると、里塚は腰をガクガクと揺らしながら、舌を垂らし、すっかり蕩けきった表情でペニスを扱いていた。
ちんぽの先端から涎のように垂れる我慢汁が、テラテラと里塚の下半身を濡らし、またそれに感じてしまうのか、犬のような呼吸を繰り返すその表情は恍惚としている。
「んひっ、ヒぃぃっ、ごめんなさいっ! ごめんなさいアンリさまぁ――こ、堪え性のないちんぽっ! ちんぽイイですっ! 雄犬変態ちんぽ、精液無駄打ちしてくてビクビクしてますぅ」
「そうだ、お前のちんぽは精液無駄打ちのための肉ディルドだということを忘れるな。さぁ扱け! まだイくのは許さんぞ」
厳しい口調でそう告げる前山は、横に立っている女子生徒からなにかを受け取ったようだった。
「な、なんだアレ……アレって」
「うふ、さすがよアンリ。転入から半年で、そのサイズのディルドでケツ穴ファックできるだなんて」
以下未完
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